早起きして美しい水を育む支笏の森へ
透き通る水を湛えた支笏湖畔に位置する『水の謌』。すぐ近くには、原始の森が息づいています。樹木や野鳥、小動物など生命の営みがそこにあると同時に、森は水を育む重要な役割を果たしているのです。「水源涵養(すいげんかんよう)機能」という言葉を、聞いたことがありますか?森林が降水を蓄え、河川へ流れ込む水の量を調節して、川の流量を安定させる機能のこと。森林に降った雨は、地中の根元とその周囲の土にスポンジのように一度貯まり、時間をかけて少しずつ川に流れます。大雨の時には洪水を防ぎ、渇水の時には水を絶やさずに流す働きを持つ森は、「緑のダム」とも呼ばれています。さらに、雨水が森林土壌を通過、浸透することによって、水質が浄化。美しい水を生むためには、森の力が不可欠なのです。
森のそこかしこに残る生命の息吹
日本の森林面積は、国土の約3分の2を占めています。森林は、ハイキングや森林浴、釣りなど、レクリエーションの場にも最適。森の清らかな空気を吸うと気分が良くなるのには、実は科学的な根拠があります。樹木から発散される「フィトンチッド」という物質が、人の体内に入り込むことで、体や心を健康にしてくれるのです。そのため、森の中を歩いて散策することは、運動になるだけでなく、疲労回復やストレス解消にもつながります。実際に、澄んだ空気の支笏の森を少し歩いただけで、野鳥やリスの姿を目撃したり、色づく樹木の葉や、可憐に咲き誇る季節の花を発見したり。耳をすませば、虫の羽音や野鳥のさえずりが聞こえてきます。日々の生活の中では感じることができない、野生の命の息吹が感じ取れるのです。足の裏で感じる土の触感、緑の匂い。太陽の光と影、そして吹き抜ける風の心地良さ…。支笏の森は、人間の「五感」を静かに揺り起こしてくれます。 さあ、いつもより少しだけ早起きして、秋の森をゆっくり歩いてみませんか。
秋の目玉は紅葉とバードウォッチング
「あのー、これ何だか分かりますか?」。表紙の写真撮影用に拾い集めたカラフルな葉っぱや木の実を、袋から取り出して荒内さんの目の前に並べてみました。「大きいのはホオノキの葉で、これがアカイタヤです。こっちはドウダンツツジの仲間だと思いますね」。スラスラ名称が出てきて、まるで見当がつかなかった私たちは大感動!「10月下旬までの支笏湖は、紅葉が一番の見頃です。その後は木の葉が落ちて、バードウォッチングにも最適。1時間で森を散策できるコースもありますし、樽前山に上った頂からの見晴らしも最高ですよ」。
花の種や実を観察。小動物の痕跡も
実際に荒内さんの案内で森を歩きました。時々立ち止まり、散った花の種や実を観察。「この実は、盗っ人の忍び足の形に似ていませんか。『ヌスビトハギ』という花なんです」。モモンガが餌として齧った葉っぱの痕跡や、キツツキが作った穴、コウモリの糞なども教わりました。「その黒い筋の入ったカタツムリは『サッポロマイマイ』と言います。小さな殻を背負って生まれてくるんですよ」。解説付きのトレッキングは、普通の散策よりずっと楽しい体験でした。自分の頭上に、足元に。「森を楽しむヒント」は、至るところに転がっています。
この人に案内していただきました
■自然公園財団 支笏湖支部
荒内 久美子さん Kumiko Arauchi
●ツルウメモドキ
枝は他木にからむツル状。
落葉後も実が枝上に残る。
●シナノキの種
山地に生える落葉樹で実はオオボダイジュに似ている。
●エゾシカ
北海道全域に分布し、夏毛は茶色で冬毛は灰褐色。
●シマリス
雑食性で、秋になると冬に向けて食料を巣穴に蓄える。
●カケス
「ジェー、ジェー」と鳴き、他の鳥や物音も真似する。
●ゴジュウカラ
足指が強く、頭を下に向けて樹幹に止まることができる。
●シメ
スズメよりひと回り大きく、太いくちばしが特徴。
●キンクロハジロ
冬の間、支笏湖に羽を休めにくる渡り鳥の仲間。
支笏湖ビジターセンター
Lake Shikotsu Visitor Center
インフォメーションコーナーには、支笏洞爺国立公園と支笏湖周辺マップ等のパネル展示があり、パソコンで野鳥や植物等の情報検索もできます。釣りや登山、自然観察等の情報収集もここで。また展示室では、支笏湖の成り立ちや見所を映像や写真、模型などで紹介。森の景観と環境を分かりやすく展示するコーナーや、湖を眺めつつ休憩できるラウンジスペースもあります。
支笏湖の自然を愉しむサービスは、2階
レセプション、[コンシェルジュデスク]
にて承っております。
『水の謌』では、支笏湖の自然と触れ合う「秋の散策&サイクリング」のご利用を承っております。2階コンシェルジュデスクにて、上記のトレッキング用グッズ各種の無料レンタルも行っておりますので、どうぞお気軽にご相談くださいませ。
ウインドブレーカー
秋は朝夕冷え込むので必ず防寒を。
雨具も兼ねられるものがよい。
ポール
帰路などで足の力が弱ったとき、
支えになり役立つ。
ブーツ
安定性が高く、ホールド感のある
トレッキングシューズがベスト。
双眼鏡
バードウォッチングの必需品。
遠くを見るのにも使える。
バックパック
背負うと両手が自由になるバックパックが便利。
タンブラー
水分補給は肝心。
ドリンクはなるべく持参したい。
初めての秋を迎えた水の謌。実りのシーズンならではの新メニューや
プランを多彩にご用意しております。ぜひお楽しみください。
道産素材でつくるシェフ特製ハンバーガー
[水の謌 ガーデン]Mizu no uta GARDEN。
ビュッフェレストラン「アマム」の階下スペースで、オープンエアのバーガーショップ「水の謌ガーデン」が営業中です。10月末まで期間限定で、道産牛やエゾ鹿肉、噴火湾産ホタテなど道産素材を挟んだシェフ特製のオリジナルハンバーガーとドリンクを販売。ボリュームたっぷりで、もちろんテイクアウトも可能です。
●道産牛100%バーガー ¥680 ●もみじ(鹿肉)バーガー ¥880
●噴火湾産ホタテバーガー ¥680 ●あぶら蟹のフライバーガー ¥1,200
●ポパイ(ほうれん草&ベーコン)バーガー ¥780
●男爵コロッケバーガー ¥580 ●ドッグサンド(オニオン&サルサソース) ¥360
※ビッグサイズバーガーはプラス400円、お好みのトッピングを追加オーダーもできる。
チキンナゲットやフライドポテトなど、サイドメニューも充実。食材は北海道のものを使用し、おいしさはもちろん安心安全にこだわり健康的なおいしさを追求しています。
水の謌 ガーデン
Side Menu
●チキンナゲット ¥260
●フライドポテト
(M)¥160 (L)¥220
●バターポテト ¥160
●ロールタコス ¥180
●アップルパイ ¥220
●ソフトドリンク各種 ¥180 他
Esthetics
ゆったりと楽しむ秋のエステプラン
陽射しの強い夏を越して、日焼けの跡や肌の乾燥が気になる季節。フェイシャルやボディコースで、たっぷりと潤いを与え、ケアしてあげましょう。秋の夜長はアロマの香りで、心もゆったりとリラックス。どうぞ、極上の癒しの時間をお過ごしください。
● 北海道エステ スペシャルコース
150分 ¥24,150
●[フェイシャル] オイルマッサージ
30分 ¥5,775
●[アロマボディトリートメント]フルボディコース
60分 ¥12,600
1F トリートメントルーム
■ご利用時間/PM3:00〜PM11:15(土・日・祝日は深夜0:00まで)
Wine
秋の恵みに良く合う道産ワイン
料理茶屋[天の謌]
Japanese Restaurant AMA NO UTA
多彩な秋の味覚とともにお楽しみいただける、北海道産ワインをご用意致しました。地元、グレイスワイン千歳ワイナリーの「北ワイン ピノ・ノワール」(赤・ミディアムボディ)や「ケルナー」(白)は、余市産ぶどう100%の軽やかな味わいでおすすめです。ほか、道内各地のワインを取り揃えてお待ちしております。
大地の恵みが美しいゼリーになりました。「白樺樹液のジュレ」(1個160円)は北竜町産「黒千石」を使った「くろまめ」と「コーヒー」「ハスカップ」の3種。道産白樺樹液の甘みを生かしたオリジナルです。無塩味噌の粉が隠し味の「みそプリン」(420円)も、開業以来の人気を誇っています。
2F スイーツショップ パティシエ ラボ
■ご利用時間/AM10:00〜PM4:00
水の謌に秋がきました。オープンからはや、4ヶ月が経ちました。その間、ばたばたと走り続けてきましたが、少しづつスタッフの皆も落ち着いてきた様子です。第2号は「森を歩こう」がテーマです。私も支笏湖の森を散策したりする余裕もなかったのですが、先日ビジターセンターのガイドの方と自然観察をしてきました。植物の名前や鳥の名前を教わりました。その何と充実した時間、森を歩くという事は、忘れかけてはいけないものを取り戻す事なのですね。 (I・O)
環境省の『地球を守る』というサイトの仕事で、一年がかりで「森林減少」について書いたことがある。支笏の森でそのことを思い出した。人間は、森がないと生きて行けないよ。 (M・Y)
野鳥の森撮影同行のSさんは、帰り道に撮影機材を背負ってくれ、歩き疲れたスタッフにソフトクリームを与えてくれた。気の利く彼にはほんとに助けられている、感謝。(Y・S)
森を歩こうというテーマのもと体力に自信がないまま参加。案の定ひとりついていけずヘロヘロに・・・。ビジターセンターの荒内さんはじめ、みなさんの足をひっぱり反省しきり。体力つけなきゃ (H・O)