生命を躍動させる春の息吹にふれる旅
やわらかな日差し、キラキラと輝く雪どけ水。
しこつ湖に、待ちに待った春がやってきました。
生命あるものが活気に満ちあふれる季節を、
水の謌で愉しむ旅は、いかがですか。
冬から春への季節の変わり目、人も五感をフルに使って、季節を感じ、カラダを変化させるといいます。特に早春は、「木の芽どきは健康に気をつけよ」といわれるほど、変化の大きなとき。身体を目覚めさせる春の食材の力や効力をご紹介します。
毎年、春の声を聞くと、福士さんの心は少しだけそわそわし始める。山へ入る時期が近づいて来るからだ。「4月の初めに、まずフキノトウ。それから行者ニンニクでしょう。アズキナにタラの芽、5月後半には山ウドにタケノコ。6月初めくらいまでは楽しめますね」。誰に教わるでもなく、子どもの頃から山に親しみ、自然に覚えた山菜採り。「短い時期しか楽しめない、春の味ですよね。長い冬を越えて土の中から出てきたものだけが持つ、特別な香りと、独特の苦みだと思います」。その「旬」を知り尽くす福士さんは、それぞれの山菜が一番美味しい時期10日間ずつしか、山へは入らない。「店で料理に使う分だけ採って、おしまいです」。
山は誰でも入れる場所。自分の採取ルートを他言しないのには、理由がある。「自生する山菜のことを考えた時、採りすぎるとその分が生えてくるまでには長い年月がかかります。例えば今年、ひとつのスポットで夢中になってあるだけ採り尽くしてしまうと、来年は採れなくなってしまうんですよ」。長い目で山の未来を考え、小さなものは残す。きちんとルールを守って採ることが大切という。「山菜は山がくれた宝物。その重みを感じ、感謝の気持ちを持って、いただいています」。調理する時も、もちろん素材を最大限に生かす。旅行客に「苦いね」と言われると「それが春の味なんですよ」と話す。舌で「春」を実感できることの幸せを、知ってほしいからだ。「春の山ってね、やわらかいんですよ」と福士さん。雪どけ水を吸った土はフカフカで、歩くと足の裏にそれが伝わってくるそう。「ああ、今年もここに来れて良かったな、って思える瞬間です」。
この人にお聞きました。
1950年、支笏湖生まれ。会社務めを経て、1975年に二代目として民宿「支笏荘」を継ぎ、現在に至る。幼い頃から支笏湖周辺の山で遊びながら育った「山の達人」。春は山菜、秋はキノコと、自ら山に入って採った季節の味覚を調理し、宿の食事で提供している。
支笏湖周辺で採れる春の味覚
● 山ウド ウコギ科
日本原産の野菜で、シャリシャリした歯ごたえと野性味あふれる香り。酢味噌や梅肉和えに。
● 行者にんにく ユリ科
名前は、山に籠って修行する「行者」が勢力補給のために食べたことが由来とされる。油炒めやおひたしに。
● 菜の花 アブラナ科
黄色くなる前のつぼみの状態を摘んで食す。最近は和食だけでなくパスタ等、洋食で使われることも多い。
● こごみ オシダ科
丸く巻いた若い芽はやわらかく、クセがないのでアク抜きの必要もない。そのままゆでて煮物や汁ものに。
● ふきのとう キク科
早春の風物詩。開ききっていないものを摘み、アクを抜いて天ぷらやゴマ和えなどに。味噌とも相性が良い。
● タラの芽 ウコギ科
木の高い位置にある10cmほどの芽を、幹を折らないように気をつけて採取する。おひたしや天ぷらに。
春の山菜を調理する際に気をつかうのは、アク抜きの工程です。しっかりゆでないと食べられませんが、逆にゆですぎるとせっかくの苦みが消えてしまいます。加減を間違うと色も緑ではなく真っ黒になってしまうので、一番難しいですね。苦みをおいしく召し上がっていただけるように、山菜料理は味つけも濃くしません。地物はふきのとうから始まり、6月の山ウドで最後。以降は近郊産の野菜がたくさん出てきて料理の幅も広がるので、今から楽しみです。
料理茶屋[天の謌]で供される春の一皿いろいろ。[一例]
●山菜ごはん
むかわ町の生産者直送の「ふっくりんこ」を、ワラビやタケノコなどと炊き上げて。
●山菜の揚げもの
白魚と菜の花のかき揚げと、行者にんにくの天ぷら。梅肉入りの天つゆでさっぱりと。
●春野菜と山菜の前菜盛り合わせ
多くの種類の山の幸を味わえるひと皿。菜の花の白和えや山ウドの筑紫巻も添えて。
●山菜のおひたし
タラの芽、ふきのとう、行者にんにく、ぜんまいなどをカツオだしのワカメソースで。
2F 料理茶屋[天の謌]
ゆったりとした時間を過ごしていただける和食レストラン。季節ごとに表情を変える北海道の食材をお楽しみください。。
1F ヘルシービュッフェ[アマム]1F
健康をテーマにしたビュッフェなので、どの季節も野菜はたっぷり取り入れています。春の訪れを感じさせる山菜は、ふきのとうやタラの芽をボイルし、おもにマリネ風にアレンジしてご提供しています。春から夏にかけては、菜の花やアスパラ、トマトなど地物野菜が届き始めます。生でサラダに使うのはもちろん、加熱して肉や魚と組み合わせるなど、様々な形で彩りよく美味しく召し上がっていただけるよう、メニューの組み立ても考えていきたいと思っています。ヘルシービュッフェで、身体の中からきれいになってください。
洋食料理長
窪内 美典
雪どけとともに、支笏湖畔に花が咲き始めます。3月下旬に一番早く顔を出すのがフキノトウ。4月中旬以降は、10cmほどの白い花をつけるヒメイチゲや、キタコブシ。下旬からGWにかけては、青いエゾエンゴサクやエンレイソウ、エゾヤマザクラなど、気温の上昇とともにたくさんの花が美しく咲き誇ります。さらに3月下旬から5月半ばは、木の枝に葉が茂る前でバードウォッチングに最適。茶色のカワラヒワや、4月中旬にはウグイスがやってきます。下旬にはオオルリやキビタキの姿も。また、風がない日の支笏湖は、波がぴたっと止まって湖面が鏡のようになり、周囲の山が映りこみます。晴れていると、空と湖の境目がわからないほどきれいですよ。ぜひ湖畔を散歩してみてください。
春は、「なんとなく眠い」ということも多い季節。快眠環境を整えてぐっすり眠るテクニックをご紹介します
1.寝る2時間ほど前に軽めの運動をする
運動による身体の適度な疲労は、快眠を導きます。寝つく時間には体温が下がるよう、就寝2時間前には終えるのがベスト。筋トレや無酸素運動は交感神経を刺激して寝つきを妨げるので、ウォーキングやストレッチなど軽く汗ばむ程度の運動がよいでしょう。副交感神経を刺激してリラックスできる、ヨガや太極拳なども効果的です。
フィットネスジム
2.自分に合った枕を選ぶ
人間は頭を支えるため、横から見ると首と背骨がゆるやかなS字カーブを描いています。寝る時もこのカーブを保てるように頭を支える枕を選ぶのが理想的。
ピローギャラリー
1.エスカルゴピロー
2.インタイムピロー
3.テンピュール
3.就寝1時間くらい前の入浴がおすすめ
睡眠と体温変化は密接に関係していて、身体が温まると自然に眠くなります。一度上昇した体温が下がるタイミングが、眠りにつくチャンス。そのため、眠る1〜2時間前までに温泉に入るのがベストです。
ミストサウナ
4.アロマオイルやエステで深くリラックス
エステで使用するアロマオイルの香りは、心身に優しくきかけ、
心地よい眠りへと誘ってくれます。
●フェイシャル (30分)●アロマボディトリートメント(30分) 各¥5,775〜
おすすめコース ●フルボディ&フェイシャル(90分) 各¥17,850
■ご利用時間/PM3:00〜PM11:15 (土・日・祝日は深夜0:00まで)
トリートメントルーム
待ちに待った春到来。お出かけも一層楽しくなるこの季節。
お泊まりや日帰りで愉しめるおすすめメニューのご紹介です。
Nepuree Cocktail
ラウンジバー「アペ」では、野菜や果物本来の栄養素や繊維を残して加工した「ネピュレ」を使った、春のカクテルをご提供中です。一番人気は、「癒」グレープフルーツ+パイン+レモンのネピュレにオレンジジュースとアプリコットブランデーの組み合わせ(写真右)。
2F ラウンジバー[アぺ]Lounge Bar APE
Rose Winel
ヘルシービュッフェ「アマム」で、ソムリエがこの季節にお薦めするのは、桜色のロゼ。テラス席や野外でも、シーンを選ばずオールマイティーに楽しめるのが魅力です。ロゼワインやシャンパンのグラスを傾けつつ、春を満喫してください。
今シーズンの「パティシエ・ラボ」の新スイーツは「しこつ湖」(350円)。カルデラ湖に見立てたシュー生地の中に、たっぷりのクリームと、アールグレイの紅茶で香りづけした桃のコンポートを詰めました。人気の「たるまえ山シュー」と同じオレンジ風味のカスタードクリームと生クリームを合わせ、表面をパリッとキャラメリゼ。スプーンで崩しつつ、その食感もお楽しみください。1日限定30個の販売です。
2F スイーツショップ[パティシエ・ラボ]Patissier LAB. ■営業時間/午前9時30分〜午後4時30分
Mizu no uta GARDEN
ビュッフェレストラン「アマム」の階下に、今年も4月29日(予定)から、オープンエアのハンバーガーショップ「水の謌ガーデン」がオープンします。道産ビーフやエゾ鹿肉、噴火湾産ホタテなど、北海道の食材を主役にした特製オリジナルバーガーとドリンクを販売。ずっしりと食べ応えがあり、テイクアウトもできます。
支笏湖の温泉宿と飲食店が開発した、新しい地元グルメ「支笏湖アキヒメ温玉ライス」(945円)が、水の謌ガーデンにも登場!ヒメマスフレーク入りご飯に温泉卵をとじこめて山に見立て、あんかけで支笏湖をイメージ。
1F ヘルシービュッフェ「アマム」横[ウッドデッキ]Mizu no uta GARDEN.
深い雪に覆われていた白い世界から、淡いパステルカラーの世界へと移ります。今年は例年になく雪が多く、雪かきをしてもしても追いつきませんでした。水の謌の冬は、雪との追いかけごっこでした。しかし、その分、春の暖かさは格別です。雪が溶けて芝生の緑が見えてきたら春の森に出かけてみてください。そこには、力強い春の息吹が溢れているこ とでしょう。 (I・O)
4月生まれのせいか、四季の中でダントツに春が好きだ。子どもの頃は雪どけが嬉しくて、わざわざ長靴で大きな水たまりの中を歩いていた。今シーズンは30年ぶりに長靴を買ったので、春山への備えは万端だ。(M・Y)
支笏湖に来る楽しみの一つが、ビジターセンターにいる猫の「まだら」に会うこと。どっしりしてて、のんびりしてて、和むんだよなぁ。 しっぽがふさふさしてて、それがまたいい。(Y・S)
春といえば、「たんぽぽ」を思い浮かべる。雪解けが終わり、黄色の花が緑の中に見え隠れし始める頃が、なんともいえずワクワクする。家の猫たちの体もびよ〜んと伸びる、気持ちのいい季節だ。(H・O)