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支笏湖の夏の水辺へ 美しき湖の清らかな水と遊ぶ


透明度が高く、清らかな水をたたえる支笏湖。今回は、美しい水辺とそれを楽しむ多彩なアクティビティをご紹介します。
カヌーで水上散歩、湖中に潜る体験ダイビング、ヒメマスの漁船での釣り体験…。
大自然の中でこそ、夏だからこその、支笏湖周辺の親水プログラムをお楽しみしください。

透明で清らかな支笏湖の水と戯れる夏

カヌーで楽しむ支笏湖と千歳川の水の美しさ

透明度が高く、水質日本一ともうたわれる支笏湖と、コバルトブルーの清流・千歳川。夏の旅で支笏湖畔を訪れたなら、ぜひ「水」の透明度と美しさを体感したいものです。
「これだけ水がきれいなので、カヌー体験もアクティブに急流を下るものより、のんびりと水上を散歩する感覚で楽しめるツアーがお勧めです」と、支笏湖ガイドハウス「かのあ」代表の松澤直紀さん。カヌーガイドとして2011年に開業し、この春、支笏湖畔にガイドハウスを設立しました。
体験プログラムの中で、40代以上の大人のカップルや友人同士に人気なのが「Soto Cafe カヌーツアー」です。カヌーで四季折々に景観が移り変わる支笏湖を散策する約2時間半のツアーで、テーマは「ホッと一息 癒しの空間」。途中、一度カヌーを降りてコーヒーやハーブティーなどから選べるお茶と手作りのお菓子を楽しむ「Soto Cafe」タイムを設け、陸上での休憩込みで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
また、家族で楽しむなら、夏休み期間限定・約1時間半の「ファミリーカヌー」。3歳以上から参加でき、基本、1家族が1艇のカヌーに一緒に乗って、水上を探検します。ガイドがサポートするので、初めて漕ぐ初心者も安心。
「ウグイやスジエビなど、水中の生物も観察できて、水の美しさを実感できます。雨の日は晴れた日より人が少ない分静かで、またいいものですよ。周囲の緑もしっとりして潤いがあったりします。自然の中で水と遊ぶ体験が、家族の思い出になるといいですね」。
夏の水上は涼しくて快適。支笏湖でカヌーの楽しさを知り、季節を変えて何度も訪れるリピーターも数多いそう。「支笏湖畔は水辺に近づける場所があまり多くないので、水が汚されることなく守られています。変わらない自然もまた、ここの魅力だと思います」。
普段、陸上から見ているのとは全く違う景観を、ぜひ水上から眺めてみてください。

Soto Cafe カヌーツアー
期間
5/9~11/1
時間
9:30~12:00/13:30~16:00
料金
大人5,500円、小学生3,500円、 幼児1,500円[税込]
対象
3歳以上 (小学生以下は保護者同伴)
定員
10名
ファミリーカヌー
期間
7/18~8/31
時間
10:00~11:30/13:00~14:30/15:30~17:00
料金
大人3,500円、小学生2,500円、幼児1,500円[税込]
対象
3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
定員
10名
カヌー カヌー カヌー カヌー カヌー カヌー

1)家族一緒に川下りを楽しめる、夏休み時期限定「ファミリーカヌー」のツアー風景より
2)水がきれいなので、魚たちが泳ぐ姿も間近で観察できる
3)エメラルドグリーンの水面が美しい、千歳川源流
4・7)支笏湖周辺を散策する「Soto Cafe カヌーツアー」のワンシーン。
激しい急流下りとはひと味違う、大人の水上散歩を楽しんで
5)無風状態の時には湖面が鏡のようになり、周囲の風景が映り込んで美しい
6・8)ツアーの途中で陸に上がり、のんびりティータイムを楽しむ「Soto Cafe」の様子から

カヌー 松澤 直紀さん

支笏ガイドハウス「かのあ」代表松澤 直紀さん1985年、札幌生まれ。アウトドアガイドの専門学校卒業後、2005年に沖縄へ。1年後、北海道へUターンし、洞爺湖ガイドセンターに4年間勤務。2011年に「かのあ」を設立。今年5月、拠点のガイドハウスを支笏湖畔に移した。

支笏ガイドハウス「かのあ」

支笏ガイドハウス「かのあ」Tel.0123・25・2430
千歳市支笏湖温泉
営8:30~19:00

透明な水中に射し込む光が美しい
湖ダイビング

ゴールデンウイーク前後には、支笏湖周辺に春の花が咲き始めます。この時期に見られる花の種類は意外とたくさんあり、一番早く残雪の下から顔を見せるのは、4月上旬に咲き出すフキノトウ。日当たりの良い斜面から順に現れます。次に、可愛らしいフクジュソウの黄色い花。これは支笏湖ビジターセンターの周囲でも見られます。
5月に入ると人気のエゾエンゴサクが林床の一面に青い花を咲かせ、中旬には葉っぱが菱形をしたエンレイソウや、シラネアオイが開花。下旬になると、白く小さな花が白い実に変わるフッキソウなどが咲きます。さあ、宿周辺の花散策へ、出かけてみませんか。

支笏湖体験ダイビング
期間
通年
時間
9:00~11:30/12:00~14:30/(7~9月限定)15:00~17:30
料金
1人12,000円[税込]
対象
中学生以上(身長140cm以上)
支笏湖シュノーケルツアー
期間
通年(冬季一部期間を除く)
時間
9:00~11:30/12:00~14:30/(7~9月限定)15:00~17:30
料金
1人様5,500円[税込]
対象
満6歳以上(身長140cm以上、中学生未満は7〜9月のみ参加可能)

「支笏湖体験ダイビング」のツアー風景と、湖中の様子から。海とは違い、淡水に生息する水草や魚を観察できる。
透明度が高い水中だからこそ、射し込む光の美しさが際立つ。全国的にも希少な、淡水ダイビング体験

ダイビングショップ「ocean days」代表
PADI・スキューバダイビングインストラクター板谷 貴文さん1978年、釧路生まれ。インストラクター資格取得後、沖縄で6年間働いた後、2005年に北海道へ戻り「ocean days」を設立。2013年春に支笏湖畔に移住し、2014年ゲストハウス「シコツカムイ」をオープン。

ダイビングショップ「ocean days」Tel.Tel.080・6073・8600
千歳市支笏湖温泉
営8:00~21:00

夏の風物詩
支笏湖のヒメマス漁

[水の謌]でも毎年この時期だけお目見えする、支笏湖の夏の味覚・ヒメマス(チップ)。漁期は6~8月の期間限定で、漁場も限定されています。「漁獲量はその年によって違います。今年のヒメマスは脂がのっていてすごく質がいいのですが、数は例年より少なめかも知れません」と、支笏湖観光センター代表の小林典幸さん。
ヒメマスが原産地の阿寒から支笏湖に移植されたのは明治27年(1894年)で、初の放流に成功しました。「釣り船が出るのは早朝3時からで、一本釣りのみ。遊漁承認証を持つ80~100艘が漁に出ます。積み込む釣り棹は、1艘につき7本までに限られているんです」。支笏湖産のヒメマスは味が良く、プロの料理人からも人気が高いそうです。
漁期中、初心者向けに朝食付きヒメマス釣り体験ツアーも実施しているので、希望者は支笏湖観光センター(0123・25・2041)へ問合わせを。

支笏湖観光センター 代表小林 典幸さん1968年、千歳市生まれ。支笏湖畔で食堂や貸しボート業を営み、漁期には自らヒメマス漁に出る。ヒメマス釣りのガイド付きツアーも実施。

支笏湖のシンボルとして親しまれている湖畔の赤い橋が、山線鉄橋。「すごく歴史のある橋なんですよ」と、自然公園財団支笏湖支部の小野寺裕太さんが教えてくれました。
元々は、明治32年(1899年)に北海道官設鉄道上川線の砂川〜妹背牛間に架けられた「第一空知川橋梁」で、英国人技術者による設計。英国製の鋼・錬鉄混合トラス橋で、使用されているものとしては道内最古の鋼橋です。
明治41年からは王子製紙苫小牧工場の建設資材を運搬する王子軽便鉄道が運行を開始。その「湖畔橋」として、大正12年頃に支笏湖に移設されました。当時、苫小牧~富川間の海岸沿いを運行していた苫小牧軽便鉄道が「浜線」と呼ばれていたのに対し、山側に向かう支笏湖畔行きの王子軽便鉄道を「山線」と呼ぶようになりました。それが現在の呼び名の由来です。
「現在の山線鉄橋の位置は、山線の連行当時から変わっていません」と小野寺さん。昭和26年に山線が廃止され、同42年に王子製紙から千歳市に寄贈されました。山線鉄橋は、実は誕生から120年近い歴史を持つ、貴重な橋なのです。

(写真左)支笏湖ビジターセンター隣のパークハウス内には、山線に関する資料が展示されている。
(写真右)自然公園財団支笏湖支部 BESスタッフ 小野寺 裕太さん
支笏湖東岸、千歳川河口にかかる赤い橋が「山線鉄橋」。現在は支笏湖温泉街と休暇村・野鳥の森を結ぶ散策コースの人道橋

一般財団法人 自然公園財団支笏湖支部(支笏湖ビジターセンター内)
北海道千歳市支笏湖温泉番外地 Tel.0123・25・2453