透明度、日本一。最北の不凍湖にして日本屈指の水量と深度。満々と湛えられた支笏湖の水は、冬にこそ、その清らかさが冴え渡ります。水の謌の原点である「支笏湖の水の不思議」と、冬の支笏湖の自然の魅力をお伝えします。
氷濤まつりは約30年前
温泉宿スタッフの知恵から生まれた
雪原に並ぶ、自然の造形美を生かした、大小30基の氷のオブジェ。2011年1月末から2月半ばに開催される「2011 千歳・支笏湖 氷濤(ひょうとう)まつり」は、千歳エリアを代表する冬の一大イベントです。支笏湖畔の会場は、水の謌から歩いてすぐ。氷のトンネルや滑り台をはじめ、大小の氷像が立ち並ぶ様は、実に見ごたえがあります。けれど、今シーズンで第33回を迎えるこのイベントが、支笏湖温泉で働く有志たちの遊び心とボランティアによって始まったことは、あまり知られていません。水の謌のマネージャーの父親も、実は創設期メンバーのひとりです。当時、寒さが厳しい1〜2月は観光客も少なく、温泉宿にとっては閑散期でした。「冬の暇な時間を利用して、何かお客様に喜んでいただくイベントができないだろうか」。そう考えた地元の従業員たちが集まり、空いた時間を利用して氷像作りを開始。年々その規模が大きくなり、千歳市観光連盟の協力もあって、国内外から大勢の見物客が訪れる現在の形へと成長しました。まさに、この地の冬の気象状況を良く知る支笏湖温泉街スタッフが知恵をしぼった、独自のイベントなのです。今も10名の制作担当者は多くが近郊在住者。「手づくり」の基本姿勢は変わっていません。
昼間に見る支笏湖ブルーの氷の神秘
支笏湖まつり実行委員会の会場管理部長、小林典幸さんは、氷像制作に携わって約25年。「よく紹介されているのは、カラフルにライトアップされた夜の会場風景が多いけれど、日中に見る氷像は美しいブルーなんです。皆さん白いと思っているので、驚かれるかも知れませんね」と語ります。
骨組みをしっかり作り
支笏湖から汲み上げた水を吹きつける
氷像の制作期間は2カ月半ほど。ベースの骨組みに1カ月、それに支笏湖から汲み上げた水を霧状にして吹きつけて厚くしていく「水かけ作業」に約1カ月。その後、会場内を歩きやすく踏み固める整地作業に取り掛かります。「作る工程は、プラモデルを作る感覚に近いですよ。骨組みに木の枝や網を取り付けて水を吹きつけていきますが、あの抽象的な形は支笏湖の風が作るんです。コブなども、自然にできるものなんです」。氷の厚さは50センチから、大型のもので約2メートル。人気が高いのは、氷に松などを貼り付けて作る「苔の洞門」や、「滑り台」「アイスマウンテン」など。大きいものほど根気のいる作業が続きます。そうして氷像が完成した後は「雪は大敵」。吹雪で雪がくっつくと、表面に膜ができてブルーに見えなくなるため、こまめに雪を払います。また、強い風が吹くと氷が融けてしまうそう。細かいメンテナンスは手間がかかり、会期中は天気予報から目が離せません。
澄みきった水が支笏湖だけの青い冬景色に
「支笏湖の水は不純物が少ない本当にきれいな水。だからこそ氷の中を光が通りやすく、その屈折具合から青く見えるのではないでしょうか」。小林さんのお勧めは、快晴よりも「薄曇り」の日。「青さがより際立って見えるような気がします。昼と夜とでは表情がまったく違うので、ぜひ宿泊されるお客様には両方見比べていただきたいですね」。ほかの都市の冬イベントで、ブルーの氷像を見かけた記憶は少ないはず。これは支笏湖の澄みきった水が生み出す「ここでしか出合えない、奇跡の冬景色」なのです。
2011 千歳 支笏湖氷濤(ひょうとう)まつり
2011年1月28日(金)〜2月13日(日)
スノーシューをはいて、
真っ白な冬の森へ出かけてみませんか?
冬の森を散策する「スノーシューウォーキング」の魅力は、「夏は笹やぶで歩けない場所も、積もった雪の上ならスイスイ入っていけるところですね」と西川さん。今年は、小高い山の上から青い支笏湖を見下ろす、新しい散策コースも設定。鹿やうさぎ、キツネなど動物たちの「足跡観察」も、冬ならではの楽しみです。
支笏湖の水はなぜこんなにも
清らかで美しいのか?
支笏湖ビジターセンターの西川さんによれば、支笏湖の透明度の高さは「生活排水が流れ込まないことが大きいと思います」。流入河川である美笛川とオコタン川は流域に住宅が少なく生活排水が出ない→プランクトンの発生数が少なくなり→餌がないので生息する魚も少なく→水が濁りづらいそう。右の表のように、支笏湖の水質の美しさは環境省の水質調査でも証明されています。
お土産にもおすすめの
水の謌オリジナル入浴剤が誕生。
パッケージも可愛いバスソルトで自宅でも温まって
「水の音」では、水の謌のトータルプロデュースを手がけた岡部泉氏とのコラボによるバスソルトを新発売。ラベンダーや薄荷など北海道がテーマの「北の香り」と、ゆずやひのきなど「和の香り」の各5種で。
水の謌をイメージした香りをお部屋でゆっくりと。
リラックス効果のあるオリジナルのアロマをお部屋にレンタルします。
この冬、水の謌にオリジナルの「香り」が誕生しました。野生と有機栽培の植物のみから抽出したエッセンシャルオイルを、館内の各スペースに合わせてブレンドしたアロマです。玄関やラウンジ用のほか、客室向けには心地良い眠りを誘う香りを開発。アロマディフューザーにセットしたものを、フロントでレンタル致します。ぜひ、お試し下さいませ。
ラウンジ「アペソ」の焼きマシュマロに
ギモーヴが仲間入りしました。
夕食後、客室ラウンジ「アペソ」の暖炉前で楽しめる、焼きマシュマロ。この冬、通常のマシュマロのほかに「フランボワーズのギモーヴ」が仲間入りしました。これは、果実ピューレと砂糖だけで卵白を使わずに仕上げるもの。鉄の串の先に挿し、焦げないように気をつけながら、さっと炙ってください。「パティシエ・ラボ」ではお土産としても販売中です(フランボワーズ・パッション各30g入290円)。