ゴールデンウイークを過ぎると、支笏湖周辺に春の花が咲き始めます。白かった世界が一気に生命感で満ちあふれ、
自然界にパワーが宿る季節。さあ、野へ山へ、そして湖へ、出かけましょう。
白一色に閉ざされた冬から、彩りに溢れた
芽吹きを迎えるうれしい季節の到来
長かった冬が終わりを告げ、支笏湖畔にも春がやってきました。支笏湖周辺でこの時期に見られる花の種類は、意外とたくさんあります。例年、一番早く残雪の下から顔を出すのは、フキノトウ。4月上旬、日当たりのよい斜面から次々と現れます。次いで黄色いフクジュソウの花。支笏湖ビジターセンターの周囲でも見られます。ゴールデンウイーク前後になると、青いエゾエンゴサクや、小さな黄色い花をつけるネコノメソウなどが咲き、5月中旬にはエンレイソウや、様々な種類のスミレの花がほころびはじめます。下旬になるとシラネアオイや、白く小さな花からぶどうのような白い実に変わるフッキソウが。その後に「水の謌」の裏手では、青紫のフデリンドウがひっそりと花開きます。美しいタチツボスミレの開花もこの時期で「毎年この花を見ないと春が来た気がしない」という方もいるほど、ファンを持つ花です。湖畔の園地内の桜はエゾヤマザクラが大半ですが、6月上旬に咲くミヤマザクラもあり、雨で一気に散ることがなければ、比較的長い期間、桜の花を愛でることができます。ぜひ「水の謌」のテイクアウトメニューを持って、お花見気分を楽しんでください。
木の枝に葉が茂る前の春こそ
バードウォッチングのベストシーズン
木々に葉が生い茂る前の4〜6月は、バードウォッチングにもベストな季節。4月にはキツツキの仲間や、ミヤマカケス、シジュウカラ、キジバトなどが、5月になるとオスは鮮やかな青の羽を持つオオルリがやって来ます。これは「リリリリ」という透き通った鳴き声も美しい鳥。5月中旬には、群れで飛ぶイカルが「水の謌」の裏手あたりにやってきます。これは、ペンチのように平たい形をしたくちばしが特徴です。雪解け後まもなくの森を歩く時の足元は、長靴の準備が必須。水分を含んでぬかるんだり滑ったりする場所もあるので、十分ご注意下さい。さらにウインドブレーカーと双眼鏡が用意できれば、ベターです。また、風のない春の朝の支笏湖は、波がない湖面が鏡のようになり、そこに周囲の山々が映り込んでそれは美しいもの。早朝の湖畔の散歩も、オススメです。
フイリミヤマスミレ(スミレ科)
フデリンドウ(リンドウ科)
エンレイソウ(ユリ科)
コウライテンナンショウ(サトイモ科)
シラネアオイ(キンポウゲ科)
ヒメイチゲ(キンポウゲ科)
エゾエンゴサク(ケシ科)
オオバキスミレ(スミレ科)
ホテル周辺の桜の開花時期と見ごろは
「水の謌」は、隠れた桜の名所。実は周辺に約15本の桜の木があります。例年5月10日前後にまずエゾヤマザクラが咲き、それから1週間ほど遅れて、濃いピンク色のヤエザクラの花がほころび始めます。同時期に白いコブシの花も咲き誇り、桜色+白+新緑の萌黄色の、それは美しい光景が広がります。夜は木がライトアップされますので、ぜひ中庭に出て桜を愛でてみてください。
春の陽気に誘われ春を探して野を歩く
「例年、春のしこつの森に入れるようになるのは、雪どけが進んだ5月半ば以降になります。それまでの期間は、その日その日で見どころやルートを変えながら、ガイドが支笏湖畔の散策へご案内しています。周辺のあちこちに顔を出している「春」を探して、ゆっくりと歩いてみませんか。支笏湖の水量は4月がもっとも少なく、7月がピーク。湖面の色も、春先はブルーで、夏が近づくにつれて緑色に近づいていきます。その変化も、楽しみのひとつ。なお、雨の日は、ビジターセンターの館内にてクラフト体験を行います。
支笏湖ブルーを見に観光船に乗る
春の支笏湖を訪れたら、支笏湖の水中遊覧船に乗ってみませんか。船の下部には、水深2mの位置に70cm四方の水中窓が約16カ所設けられていて、湖底を余すところなく見せてくれます。晴れた日は窓から紺碧の支笏湖ブルーが見え、癒やしのひととき。曇りの日はブルーには映らないかわりに、柱状節理など湖底の光景をはっきりと見ることができます。運が良ければチップ(ヒメマス)に出会えることも。また湖を囲む大自然も見どころで、天候が穏やかな春〜初夏の朝に船上から見る、湖面に映る残雪の風不死岳は絶景です。
水の謌香りのおもてなし
「水の謌」では、昨年末から宿オリジナルのアロマを導入しました。ご希望のお客様には、ピローギャラリーにて、客室用のアロマデュフューザーをレンタル致します。アイヌ語で「魂の〜」を意味する「ラマシ」と名付けられた客室向けの香りは、野生と有機栽培の植物のみから抽出した精油を7種ブレンドしたもの。「オーガニックの精油が持つ本物の香りは、人の本能へ働きかけてリラックスを促し、深呼吸や安眠を誘います。それが、心の豊かさにつながっていくのだと思います」と、試作を重ねアロマブレンドを手掛けた岡部亜希子さん。香りが安らぎの時間を演出してくれます。